テニス

すごく久しぶりな上に音楽ネタではないのですが、記録しておきたいことがあったので更新。

男子テニスの錦織の試合を見るために、兵庫の三木市というところまで行って来ました。
デビスカップの対ウズベキスタン戦、勝てばワールドグループ入りのプレイオフに出られるという大事な試合。
会場はビーンズドームという三木総合防災公園の中にある屋内テニス施設なんだけど、この公園がものすごく交通の便が悪そうだったので、新神戸駅からレンタカーで行くことにしました。
結果これが大正解。
道が混まなければ、新神戸トンネルという有料道路を使って、神戸から1時間弱で行けます。
この新神戸トンネルがまあ古いわ長いわでほんとに怖いんだけど、使うと使わないじゃ時間的に多分大違いだと思う。
そして長いトンネルを抜けると雪国、ではもちろんなくて(ベタすぎる)、神戸市内から10kmほどしか離れていないとは思えない大変のどかな田園風景が広がっておりました。
そこからさらに15kmほど山道をうねうねと走るわけですが、途中人造湖やダムのそばを通る箇所もあり、風景的にはなかなか楽しいです。
交通量も少なくて快適に走れるし、ナビと標識のおかげで難なく会場の三木総合防災公園に到着。(むしろ神戸市内の方がちょっと迷ったくらい。昔あの辺に住んでた割に土地勘ないぜ)
サイトを見てもとにかくだだっ広い公園のようだったので、中に入って迷うんじゃないかという心配もありましたが、入口の所でちゃんとビーンズドームへの標識もありました。よかった。
ドームのそばの駐車場は関係者用になっていたので、その次に近い駐車場に車を停めました。
(こういう大きなイベントの時は誘導の係員の人が出るようで、ちゃんと案内してくれます。)
私は試合開始の1時間くらい前に着いたんだけど、その時点でこの駐車場もほぼ満車で、ほんとぎりぎり停められたという感じ。
普段何でも開始間際に行くのがモットーの(←だめすぎる)私が早めに会場に着くように出たのも、あんまり遠い駐車場になったらいやだなと思ったからなので、何とかここに停められてほんとよかった。
ドームまでは歩いて10分そこそこ。鳥の鳴き声が聴こえる静かで見晴らしの良い道を歩きます。

会場入口。

コートはこの入口より下方にあります。座席の一番上の部分が入口と同じ階層という構造。
そして座席の列と番号の関係がチケットを見ただけだとよくわからなかったんだけど、要するに列はあんまり関係ないという感じ。(会場で席を探しやすいように書いてくれてるだけだと思う)
例えば「Aブロック2列15番」て書いてあるとすると、2列目の端から15番目?でも座席表見ても横に15も席ないし、とか思っちゃってたんだけど、Aブロックの前から数えて15番目の席っていう意味みたい。
つまり実際には2列目の端から5番目の席とかだったりします。

ここの座席は写真とかで見た感じよりもずっとコートに近くて、私は実質1列目だったのでまじ目の前でプレーが見られて大迫力でした。
テニスの観戦は初めてだったんだけど、ライブと同じで、やっぱり生で見ると本当に面白い。
錦織くんの球めちゃくちゃ速いし、ネットすれすれのところをひゅんひゅん飛んでくし、息もつかせぬ展開とはこのことかー!という感じ。
いやーあのスピードの応酬の中で、一瞬にしてどんな球をどこへどのくらいのスピードで打つかを判断するわけでしょ?
これは天才のスポーツだとつくづく思ったわ。
速いラリーの末down the lineが決まった時とかまじで震えが来るくらい気持ちよかった。
1stセットはキープ合戦。
対戦相手のイストミンのサーブがすんごい速くて、これどうやってブレイクするんだ…という感じ。
でもストロークは明らかに錦織くんが押してたので、イストミンのサーブの威力が最後まで続くとは思えないし、どこかで落ちて来た時がチャンスかなあと。
(あと錦織くんのサーブもとても良くて、時々200km/h超えもあったし、速さだけでなくコースも多彩で、ブレイクされる気配がなかった)
このセットは結局タイブレで落としちゃって残念でした。
2ndセットの後半あたりからだったか(もうあんまり記憶が定かでない)、イストミンの1stサーブの確率が落ちて来て、よしここからがチャンス!と思ったのに、今度はストロークが意外と良くなって来て、これはやばい?と思ったのを覚えてる。
でも結局最後の最後で錦織くんがブレイクし、2ndセット奪取。
いやー最後のポイント取ってブレイクした時めちゃめちゃ盛り上がったよー。
これがこの試合初のブレイクだったはず。そこまで2人とも全部キープキープだったという。
3rdセットあたりからお互い少しずつブレイクするようになって、でも基本的に錦織くんがリードで試合を進めるという感じだったような。
とにかくストロークは終始主導権を握ってる感じで、押し込まれたイストミンがついていききれずミス、みたいなポイントがたくさんあったと思う。
このセットを取った時ほぼ勝利を確信しました。
4thセットは、それまでに比べると割とあっさり取った印象。MPも確か1回で取ったはず。
勝った瞬間は黄色い声を上げんばかりの勢いで(いや上げなかったけど。笑)拍手喝采でした。
試合終了直後の錦織くんは、責任を果たしたという気持ちがあったのか、単に嬉しそうと言うより喜びつつもどこか厳しい表情でいたような気がする。
そのあと上半身裸のままハンドマイクで(これはびっくり&笑った)挨拶のスピーチをした時は完全に笑顔だったけど。

超間近で錦織くんを見て驚いたのは、TVで見た印象よりずっと背も高くてがっしりしてたこと。
TVだと割と小柄で細く見えるんだけど、実際見たらとんでもない。まさにアスリートという体躯。
イストミンの方がちょっとひょろっとして見えたくらい。
あと試合中の表情が非常に厳しくて、いい意味で怖かった。
普段インタビューとか会見なんかで見ることのできる、素朴な人柄が垣間見える好青年とは別人のよう。
というか別人だなあれは。
おおこわい…!と思う瞬間がちょくちょくあって、そのたびにぞくぞく。いや私そういうの大好きなもので。
プロが全身全霊で自分の仕事に打ち込んでる時の鬼気迫る表情や雰囲気って最高っすよね。
もうこっちは黙って見てるしかない。というか否応なく黙らされてしまう。
あの近寄り難さ、たまらんっす。

あと余談だけど、監督がとてもかいがいしく錦織くんのお世話をしていたのが、監督というよりマネージャーという感じでなんかおかしかった。
コートチェンジでベンチに戻ってくるたびに、ペットボトルを渡してあげたり(しかもフタを取って。笑)、冷たいタオルや氷で首や足を冷やしてあげたり、本当にまめまめしいという言葉がぴったりのお世話っぷりでした。
ただあとでこの試合の記事を読むと、本当に過酷な環境で選手達は戦っていたことがわかるので(まあただ座って観戦してる私でさえ暑くて大変だったから、選手は相当だろうとは思ってたけど)、監督のお世話っぷりにも納得がいくのだけど。
でもウズベキスタンの監督はなーんにもしてなかったからね(笑)。
日本の監督のお人柄が偲ばれます。

それから、いつもは基本的にGSとかの大きい大会しか見ていないのでわからなかったけど、ボールボーイにもレベルというのがあるんだなというのが今回わかりました。
やっぱりGSなんかのボールボーイは選抜もあるだろうし、相当訓練も受けてるんだろうなあと。
あのきびきびっぷりは決して普通のことではないのだなということを今回知りました。
あと線審も。
私はベースラインの延長線上の席にいたのでわかったけど、はっきりアウトのボールなのにコールしなかったりとか。
まあこれはGSレベルの線審でもそれなりに間違えたりすることがあるので(だからチャレンジシステムがあるわけだし)、致し方ない面もあるとは思うけど。

試合が終わった後の挨拶で、錦織くんが上半身裸のままマイク握って、という話を上の方で書いたけど、これはシャツが汗だくだったので早く脱ぎたかった&替えのシャツがなかった、でも挨拶したかったから、ということを後で言ってました。
ちなみに私が驚いたのは、上半身裸よりハンドマイクの方。
なんか、思わずマイクを自分で握るくらい本当に嬉しかったんだろうなあって思って。
(普通挨拶ってインタビュー形式というか、誰かがマイクを持って選手に差し出すって形だと思うので)
考えてみれば、錦織くんは1年中毎週毎週どこかしらで試合をしてて、でも今回みたいな完全ホームの雰囲気の中で試合をすることはほとんどないんだよね。
まあ世界中にファンのいるトップの選手以外は大体そういうものなのかもしれないけど。
(あともちろん海外にも錦織ファンはいるので、完全アウェイということもあまりないとは思うけど)
だから今回みたいに会場全体が自分の応援という状況は、相当嬉しかったのかなあと推察したりするわけです。
あとこれは錦織くんだけじゃないと思うけど、テニス選手って普段は完全に個人での戦いしかしていないからこそ、デ杯や五輪のようなチームで戦うこととか国を背負うことに、意義とか喜びを見出したりするのかもしれないな、と思ったり。

とにかく初めて錦織くんの試合を生で見ることが出来たのがまず嬉しかったし、その上勝ってくれたのでほんと最高に楽しい1日になりました。
4時半起きで東京から行った甲斐があった(笑)。
レイオフは日本でインド戦と決まったので、これももちろん見に行くつもり。たとえまたビーンズドームでも!(笑)